ドローン国家資格制度が始まって以来、多くの人が講習を受け、資格を手にするようになりました。SNSでも「合格しました!」「一等取得!」という投稿をよく見かけます。努力の成果として胸を張っていいことです。
しかし、少し冷静に考えてみてください。「資格を取った=安全に飛ばせる」と言い切れるでしょうか?実はここに、多くの操縦者が見落としている「落とし穴」があります。
(1) 資格は「操縦技量」の証明にすぎない
国家資格制度は、操縦技量を客観的に証明する仕組みです。つまり、「操縦技量が基準を満たしていること」を国が保証してくれるというもの。逆に言えば、それ以上でもそれ以下でもありません。
一方で実務で求められるのは、操縦以外の判断力・状況認識・チーム連携といった現場スキルです。例えば、
- 強風で飛ばすか中止するかを判断できるか
- 通信トラブル時に誰とどう連携するか
- 近くの第三者にどう注意喚起するか
現場ではこうした判断の積み重ねが「安全か、危険か」を分けます。
(2) 試験で学べることと、現場で求められることは違う
試験はあくまで標準条件のもとで行われます。通信環境も安定しており、風もほとんどない。つまり理想状態での飛行です。ところが実際の現場では、
- 風速が読めない
- GPSが途切れる
- 周囲が雑音で声が通らない
など、想定外の事態が次々と起こります。資格を取ってから初めて、「現場は教科書どおりにいかない」という現実に直面するのです。つまり、資格取得後に現場対応力を鍛える環境を選ぶことが大切です。
(3) 「安全」を体系的に学ぶ場がほとんどない
もう一つの落とし穴は、「安全」が体系的に教えられていないこと。
国家資格講習は「操縦技量」を軸に作られているため、安全管理やリスクコミュニケーションについては、あまり触れられません。しかし、実際に事故を防ぐのは操縦技量ではなく、チームの安全文化です。
航空の世界では、「技量ではなく、文化が安全をつくる」と言われます。それをドローン産業に翻訳しようとしているのが、私たちダイヤサービスであり、DOSA(ドローン・オペレーション・セーフティ・アカデミー)です。
DOSAの国家資格講習は「安全文化」の入口
DOSAでは、国家資格講習の中に「ドローン応急手当講習(短縮版)」を無料で組み込んでいます。これは、事故やトラブルが起きたときに誰かを助けられる人を育てるため。操縦が上手いだけでなく、現場の安全を守れる人を増やすことを目的としています。
また、講習はすべて屋外実習。風・光・通信など、現場と同じ環境で判断力を磨きます。この再現性のある訓練が、資格を本当の力に変えるのです。
「資格を取って終わり」にしないために
国家資格はスタートライン。資格を取ったその先にこそ、プロとしての差が生まれます。
資格を「持っている人」になるのか、
それとも「活かせる人」になるのか。
分かれ道は、あなたがその後どう学ぶかにあります。
資格を取っても不安が残る。
現場でどう判断すればいいか分からない。
そんな方こそ、「安全を学ぶ第二段階」に進むタイミングです。
まとめ
国家資格を取れば安心、というのは誤解です。合格はスタートであり、現場対応力・安全文化の理解があって初めて信頼される操縦者になります。
資格を形式ではなく、実力の証明に変えたい方へ。DOSAの国家資格講習は、操縦+安全+判断の3軸であなたの力を支えます。